「StiLL」 デザイン情報214 StiLLコマンド-- 「BtMerge」で同一項目データを横並びに取得する(2)
                             
  【テーマ】
前回、項目名を変えることで2つのブックから横並びにデータを取得する方法をご紹介いたしましたが、今回は項目名を変えずに横並びに取得する方法についてご紹介します。
    【方法】
「Excelデータ取得(BtMerge)」ボタンと「Excelデータ抽出(BtRecordQuery)」ボタンを使い、2段階でデータを抽出・集計します。
    【参考】
「Excelデータ取得」ボタンの実行結果から直接ピボットテーブルで集計することも可能です。
2つ以上のファイルから取得する場合も同様の設定で横並びに取得できます。
 
                 
                             
■ 今回の内容                          
今回は元データの項目名を変更せずに複数ブックの同じ項目データを横並びに取得する方法をご紹介します。
図のように元データ1(Book1)と元データ2(Book2)があるとします。
@通常「Excelデータ取得」ボタンでデータを取得した場合、同じ項目名は下図の実行結果イメージ@のように同じ列に取得/集計されます。
元データ1
元データ2
Book1 Book2
実行結果イメージ@
A今回ご紹介する方法は、「Excelデータ取得(BtMerge)」と「Excelデータ抽出(BtRecordQuery)」ボタンを使い実現します。
 図の元データの項目名を変えずに横並びに取得することができます。
元データ1 元データ2
Book1
Book2
実行結果イメージA
↑項目1を基準に横並びにデータが合計取得された状態
・ポイント
 1.「Excelデータ取得」ボタンでファイル名を取得する項目式と、ファイル名を基準にデータを振り分ける項目式を設定します。
 2.「Excelデータ抽出」ボタンで1の結果を横並びに表示して集計します。
■ ボタンの作成と設定                        
今回使用するStiLLボタンを示します。(下図赤枠:Excelデータ取得、Excelデータ抽出)
今回のボタンの設定例を示します。
 1.Excelデータ取得(BtMerge)の設定例
  設定内容の説明
なお当例では、同一フォルダ内に Book1.xlsx と Book2.xlsx が存在しているものとします。
   T. フォルダ名:「使用中ファイルと同一」を選択した場合 % と表示されます。
   U. ファイル名: *(ワイルドカード)で Bookで始まるExcelファイルを対象とします。
   V. 対象シート名:Dataを設定します。 (上段の図参照)
   W. 元データ範囲:A1を設定します。(上段の図参照)
   X.項目式範囲: 下図のように設定します。
   1. 最初にファイル名 Book1.xlsx を選択した際に<元データ>項目一覧に表示される
      「項目1」を右欄の<項目式>項目一覧に設定します。
   2. 次に Book1用の項目名「Book1項目2」を設定します。(この項目は左欄に表示されませんので手入力します)
   3. 同様に Book2用の項目名「Book2項目2」を設定します。(この項目も手入力します)
   4. 「項目2」を右欄の<項目式>項目一覧に設定します。
   5. データ振分けの基準となる「ファイル名」を設定します。
   ※「Book1項目2」「Book2項目2」には以下の式をシートに記録後入力します。
     「Book1項目2」:'==IF(E15="Book1.xlsx",D15,0)
      「Book2項目2」:'==IF(E15="Book2.xlsx",D15,0)
    項目式設定例(シートに記録したイメージ)
 2.Excelデータ抽出(BtRecordQuery)の設定例
   1. 元データ範囲をExcelデータ取得での出力位置と同じ(Sheet1!A14)に設定します。
   (項目式範囲をSheet1!A6:E9と設定して集計時に「項目2」と「ファイル名」列の見出しとデータをクリアします)
   2. 項目式は下図のように設定します。
    項目式設定例(シートに記録したイメージ)
■ ボタンの実行                        
  作成した「Excelデータ取得」「Excelデータ抽出」ボタンの順に「ボタン連続実行」ボタンにリストすることで、
  冒頭の実行結果イメージAの結果を得られます。
  データ表示の変遷イメージ
  1.Excelデータ取得(BtMerge)の実行結果
  2.Excelデータ抽出(BtRecordQuery)の実行結果 ・・・ 最終結果
■ ご参考までに                        
1.上段の「Excelデータ取得」ボタンの実行結果から直接ピボットテーブルで集計することも可能です。
     ここでは「Excelデータ取得」ボタンで範囲名にDATAを設定してピボットテーブルで使用します。
     ピボットのデータソース設定イメージ
     なおデータ取得と同時にピボットテーブルを更新する際は「ピボットテーブル更新(BtPivotRefresh)」ボタンを使用します。
2.2つ以上のファイルから取得する場合も同様の設定で横並びに取得できます。
(各ボタンの設定内容の詳細はStiLLヘルプをご確認ください)  
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