Excel情報557 グラフ --データの追加や削除に応じて、グラフを自動で更新する方法
【テーマ】
データを追加するたびにグラフの範囲を直すのが面倒だと感じたことはありませんか?今回は、データの追加や削除に合わせてグラフが自動で更新される方法をご紹介します。
【方法】
テーブル機能またはグラフのデータ範囲に名前をつけ、数式を設定します。
【参考】
テーブル機能やグラフのデータ範囲の設定に使用する数式の詳細については、バックナンバーをご参照ください。
■ 今回の内容
グラフを活用していると、データの追加や削除のたびに範囲を手動で調整するのが
手間に感じたことはありませんか。
そこで今回は、「データの追加や削除に応じて、グラフを自動で更新する方法」をご紹介します。
この方法を使えば、データを追加・削除しても範囲の修正の手間を削減できます。
■設定方法
データの増減に応じてグラフのデータ範囲を自動で変更するには、下記の方法があります。
・データをテーブルにする方法
・グラフのラベルと系列のデータにそれぞれ名前を付ける方法
例として、下図を使用します。([商品別 支店別売上一覧データ]はDATAシート上にあるものとします)
◆データをテーブルにする方法
@データ内の任意のセルを選択(例では、D6セルを選択)
A「挿入」タブをクリック
B「テーブル」をクリック
※データ内の任意のセルを選択後、[Ctrl]+Tキーを押すことでもテーブルに変換できます。
C「テーブルの作成」が表示されたら、「OK」をクリック
テーブルに新しいデータ(例ではプリンター)を追加すると、グラフも自動で更新されました。
◆グラフのラベルと系列のデータにそれぞれ名前を付ける方法
運用上、テーブルを使用できない場合は、次の手順で設定します。
@データ範囲を選択
※データ内の任意のセルを選択後、[Ctrl]+Aを押すと、簡単にデータ範囲を選択できます。
A[数式]タブをクリック
B[選択範囲から作成]をクリック
C「上端行」にチェック
D「OK」をクリック
E[数式]タブの[名前の管理]をクリック
F[参照範囲]を編集する名前を選択し(例では「商品名」)、[編集]をクリック
G[参照範囲]に下記数式を設定し、[OK]クリック
=OFFSET(DATA!$B$5,0,0,COUNTA(DATA!$B:$B)-2)
大阪支店、東京本店、名古屋支店も同様に設定します。
・大阪支店
=OFFSET(DATA!$E$5,0,0,COUNTA(DATA!$E:$E)-2)
・東京本店
=OFFSET(DATA!$C$5,0,0,COUNTA(DATA!$C:$C)-1)
・名古屋支店
=OFFSET(DATA!$D$5,0,0,COUNTA(DATA!$D:$D)-1)
※[商品名]の設定で、[COUNTA(DATA!$B:$B)-2]で[-2]としているのは、
  B2セルとB4セル(見出し)の値を省くためです。
  [大阪支店]も同様に、E2セルとE4セル(見出し)の値を省くため、[-2]としています。
※[東京本店]の設定で、[COUNTA(DATA!$C:$C)-1]で[-1]としているのは、
  C4セル(見出し)の値を省くためです。
  [名古屋支店]も同様に、D4セル(見出し)の値を省くため、[-1]としています。
Hグラフを選択後、右クリックし、[データの選択]を押下
I[凡例項目]で任意の項目を選択後(例では東京本店)、[編集]をクリック
J[系列値]をシート名だけ残した状態で、F3キーを押下し「名前の貼り付け」ダイアログを表示。
  東京本店を選択後、[OK]クリック
K[OK]をクリック
  名古屋支店、大阪支店も同様に行います。
L横(項目)軸ラベルの[編集]をクリック
Mシート名だけ残した状態で、F3キーを押下し「名前の貼り付け」ダイアログを表示。
 「商品名」を選択後、[OK]クリック
N[OK]をクリック
O[OK]をクリック
テーブルに新しいデータ(例ではプリンター)を追加すると、グラフも自動で更新されました。
■ ご参考までに
テーブルの作成、OFFSET関数、COUNTA関数の詳細については、バックナンバーをご覧ください。
【バックナンバー 268】 「テーブル」の作成
【バックナンバー 487】 「OFFSET関数」 
【バックナンバー 176】 「COUNTA関数」
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